各館の出来事
リアス・アーク美術館
1994 (平成 6)年 10月 開館
宮城県気仙沼市赤岩牧沢138-5
ヒアリング調査:2013/02/11
面 積 | 敷地面積:9,987㎡ |
---|---|
建築面積:2,340㎡ | |
延床面積:4,601㎡ | |
構 造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 |
規 模 | 地上3階 |
年間来館者数 | 平成21年度 39,131人 平成22年度 38,334人 平成23年度 0人 平成24年度 15,899人 |
震災の被害について
建物の被害
- 天井の破損
- 床、壁の亀裂・鉄板構造部のゆがみ・ガラスの破損
人的な被害
なし
資料等の被害
- 美術作品(立体)2点全損、1点部分損
施設管理に関するヒアリング調査まとめ
震災発生当日の様子
震災発生当日の施設閉鎖までの経緯
- 発災後、即閉館
- 高台の公共施設であるため、避難者が集まってきたものの、館内に人を入れることのできる状態でなかったため、館長が避難所としての使用は不可と判断
- 自宅が危険なスタッフ数名は施設に残る
- 深夜2時頃、生涯学習課課長が来館し、二次避難所に使えるか視察(結果、避難所にはならなかった)
避難時において、困った点
津波警報が聞こえなかった。
震災直後の様子 3月12日~3月末日までの期間
12日 | スタッフ1名を施設に残し、他のスタッフは防災センター(避難所)で勤務 |
---|---|
14日 | 支援物資保管場所として機能(展示室) 学芸員が数名戻る 電気復旧 |
15日 | 物資を展示室から移動するためボランティアが来館 |
16日 | 気仙沼の状況を記録すべく、自主的に「取材」として写真記録をとり始める |
18日 | 電話復旧 全国美術館会議から救助が必要か確認の連絡が来る |
23日 | 公務としての写真記録調査を始める |
地震発生当日に普段の用途と変えて使用した部分
- 展示室を支援物資保管場所として使用(3月14日から)
施設再開まで
改修工事以外の復旧業務
※学芸係長の山内氏が約40日間警備のため施設内に滞在。
2011年4月6日 4月7日 4月10日 4月末以降 5月18日 5月19日 5月20日 5月23日 6月 7月 10月 11月 2012年2月 7月10日 |
空調復旧。しかし(気仙沼・本吉地域広域行政事務組合組合から)許可が下りないため稼働せず 余震により空調が故障 再び空調復旧→(気仙沼・本吉地域広域行政事務組合組合から)稼働許可が下りないため稼働せず 施設の構造設計者が来館。構造上問題なしと診断土地勘のある市内各所を重点的に調査し始める (気仙沼・本吉地域広域行政事務組合組合から)空調の稼働許可が下りる 空調運転準備 空調稼働(収蔵庫、1階展示室) (気仙沼・本吉地域広域行政事務組合組合から)施設修繕命令 記録調査活動に集中できない状況になる 5か年計画の資料作成 取材対応 修繕のための公式調査 復旧のための申請 着工 完成検査 |
---|
復旧支援など、協力者の来訪
- 物資移動のためのボランティアの来館
- 全国美術館会議から物資(机、パソコン等・被災物保管庫)の支援を受けた。展示用パネル準備の支援も受けた
施設再開後
施設貸出しに際する留意・確認点
常設展示が増えたため、貸館のための部屋が減った。
利用状況で変化した点
地域外の来館者が多くなった(NPO関係、調査関係が多い)。
その他
震災以前の来館者はリピーターの方が多かった。
事業・企画に関するヒアリング調査まとめ
震災当日から施設再開まで
企画立案・運営方法で、震災前と比較して変更した点
- 常設展示に震災関係の記録を加えた
- 手描き展示開設パネル(水彩・鉛筆)をデジタルデータ化した
その他
地域との関係において震災前後で変わった(変えざるをえない)点
- イベントのために使える部屋が減ったため、イベントを縮小せざるを得ない
- 東北歴史民俗資料館など、他の文化施設等との関わりが増え始めている