各館の出来事
石ノ森萬画館
2001(平成 13)年7月 23日 開館
宮城県石巻市中瀬2-7
ヒアリング調査:2013/02/07
面 積 | 延床面積:1,979.11㎡ |
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構 造 | 鉄筋コンクリート造、一部 鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造 |
規 模 | 地上3階 |
年間来館者数 | 平成21年度 178,500人 平成22年度 177,092人 平成23年度 0人 平成24年度 69,000人 |
震災の被害について
建物の被害
- 1階部分浸水
- 電気・空気機械設備、非常用電源、水回り機器類水没
人的な被害
なし
資料等の被害
特になし(原画等展示物)、但し事務書類はほとんど流失
施設管理に関するヒアリング調査まとめ
震災発生当日の様子
来館者 | 約20名 |
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職員数 | 職員 約10名 合計約30 名 |
施設課長は施錠、確認のため館内に残るが、周辺状況から避難できず。
震災発生当日の施設閉鎖までの経緯
館の外に避難 来館者→職員の順に避難
震災直後の様子 3月12日~3月末日までの期間
- 市役所への報告
- 避難者を指定の避難所へ移す
地震発生当日に普段の用途と変えて使用した部分
施設に避難してきた人、津波のがれきに流された人、約40名を救助
施設3階のライブラリーと喫茶室を開放
施設再開まで
- 震災翌年2012年3月ごろ再開の機運が高まり5月工事発注
- 6月~11月の5か月の工期で11月17日再開
- 作品に関しては、関連団体のミュージアム(東京)に移送し、保存した
- 石ノ森萬画館は石巻の復興のシンボルでもあるので、11月に一度再開し、改修後、2013年3月に全面リニューアルオープンを行う
改修工事以外の復旧業務
2011年5月5日のこどもの日のイベントのため、職員が主体となり館内の清掃・整理を急いだ。
県内外でのイベント参加、グッズ等、商品の積極販売
復旧支援など、協力者の来訪
2011年5月5日のイベント前には、100名ほどのボランティアにより主に外回りの清掃を行ってもらった。
大型のがれきは陸上自衛隊が除去してくれた。
施設閉鎖中の震災前に利用していた市民や活動団体との連絡
- 再開後に萬画館を訪れた方から、多くのメッセージが寄せられた
- マンガやミュージアム関連団体からの連絡・支援が多く寄せられた
施設再開後
再開のイベント時に多くの来館者の方々に訪れて頂いただけでなく、その後も被災前よりも多くの来館者の方々に来て頂いている。
利用状況で変化した点
- リピーター(年間パスポート利用など)が増加した
- 再開後は被災前と比較して約1.5倍の来館者数
その他
工事期間と費用について
- 修繕工事は原状復帰のため6億円、リニューアル工事は展示品の更新などに1億4000万円
- 期間はそれぞれ2012年6月~11月と2013年2月~3月
再開に関わった団体
- マンガ関連以外の一般企業、団体からの支援が多数あった
- 鳥取で行われた漫画サミットでは寄付金を募り支援を受けた
- 周辺施設ではグッズの販売を手伝ってくれた施設がある
事業・企画に関するヒアリング調査まとめ
震災当日から施設再開まで
企画立案・運営方法で、震災前と比較して変更した点
- 震災時及び再開までのプロセスをパネルなどで展示している
その他
地域との関係において震災前後で変わった(変えざるをえない)点
周辺の魅力ある施設が被災したため、石巻の人々の交流を支える役割、割合が大きくなった。4月からデスティネーションキャンペーンとして宮城が対象となっているだけでなく、石巻独自のまちづくりプログラムを企画している。それらの企画と萬画館が連動することで、まちづくりの重要な一翼を担うことを考えている。
これから起こるかもしれない災害に対しての対応
予算の関係もあるが、非常用電源などは浸水を免れるよう高所に設置すべき。
今後、東南海の地域で気を付けるべきこと
あらゆる災害を想定してのマニュアルの制作と、訓練をしておく必要がある。
今回の震災での経験を漫画家の方にお願いして、ストーリーを考え漫画にしていき、石ノ森萬画館らしく漫画で伝えていくつもりである。