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2020/12/21
ミュージアムトークテラス・ラジオ 第2回「仙台のお正月といえば、アレ!」アーカイブ
SMMAに参加するミュージアムの学芸員がお送りする「SMMAミュージアムトークテラス」。今年度はコミュニティFM・ラジオ3で番組として放送中ですが、Podcastでもアーカイブ配信をお届けします。
第2回のテーマは「仙台のお正月といえば、アレ!」。仙台市博物館の倉橋真紀さんと、仙台市歴史民俗資料館の畑井洋樹さんにお話しいただきました。
ここでは、放送でもふれた内容のいくつかを写真つきで紹介します。
まず、正月といえば定番の「仙台のお雑煮」について。
仙台のお雑煮といえば、焼きハゼが載ったものが有名です。ところが、仙台市歴史民俗資料館で調べたところによると、仙台でよく食べられていたのはヤマドリなどの鳥肉の出汁で作ったものだそうです。
▲仙台近郊農家の正月膳(提供:仙台市歴史民俗資料館)
もちろん焼きハゼも使われていたようですが、鮎、舌平目、ホヤなど、その地域で手に入りやすい食材が出汁として使われていました。その中で、いつの間にか見た目のインパクトがあるためか焼きハゼの写真が代表格になり「仙台のお雑煮といえば焼きハゼの出汁で」となったのではないかということでした。
次に、かつては行われていた「行事や風習」について。
今では知らない方も多い風習のひとつで、実のなる木の豊作を願って小正月に行われる「成木責め(なりきぜめ)」。木に向かってひとりがナタなどを持ち『なるかならぬか、ならぬと切るぞ』というと、木の役のもうひとりが『なります、なります』と応えることで、来年の豊作が約束されるというものです。
▲「仙台年中行事絵巻 正月風俗の図」(部分)に描かれる成木責め(所蔵:仙台市博物館)
最後に、仙台の伝統的な「門松」について。
実は私たちがよく見る竹の門松は比較的新しいタイプのものなんだとか。全国にはさまざまな門松があり、仙台にも伝統的な形がありました。それはかなり大きなものだったそうで、両脇に栗の長い柱を立てて、上に竹を渡して門の形をつくり、それに松をくくりつけて、竹にしめ飾りをつけて…。なんと、仙台市博物館などで組織する仙台歴史ミュージアムネットワーク(歴ネット)ではこれを実際に作って再現しています(詳しい様子はこちら)。
▲仙台の伝統的な門松のレプリカ(仙台市博物館/平成30年度展示の様子)
▲しめ縄はひとつひとつ手作りです。
今年もいくつかの場所でこの門松を見ることができるので、みなさんぜひ足を運んでみてください。
詳細はこちらから。
次回のトークテラスは2021年1月14日(木)の放送です。
次は八木山動物公園フジサキの杜の方が登場予定です。どうぞお楽しみに。
【お問い合わせ】
仙台・宮城ミュージアムアライアンス事務局
TEL 022-713-4483(せんだいメディアテーク内)