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2020/03/02
SMMAクロスイベント 歴ネット「仙台の伝統門松を復元」実施報告(レポート)
仙台歴史ミュージアムネットワーク(歴ネット)では今年度も「仙台の伝統的な門松」を復元し歴ネット7館で展示しておりました。今回は実施報告をいたします。
■仙台の伝統的な門松とは?
かつて、仙台やその周辺で飾られていた門松は、現在一般的に見られるものとは違い、松や竹などを門のように組み上げた形をしていました。しかし、仙台の中心部では明治40年ころには、ほとんど姿を消し、郊外でも昭和40年代には飾る家も少なくなり、今ではほとんど見ることができなくなっています。
仙台市博物館では、数年前から仙台の門松に関する調査を継続して行い、幾つかの関連の古文書や絵画資料などを見つけることができました。その結果、江戸時代に仙台城に飾られていた門松の大きさや数、また、材料が根白石村(泉区根白石)から献上されていたことなどがわかってきました。
ちなみに仙台城内に飾られた門松は、直径15cm、長さ3m以上の栗の木の柱に竹や松を添え、根元を楢の割り木で囲むというもので、その高さは3mから4mに及んだと推定されます。(配布したチラシより)
■展示期間
瑞鳳殿 12月 16日(月)~ 1月14日(火)
史跡陸奥国分寺・尼寺跡ガイダンス施設 12月 17日(火)~ 1月16日(木)※今年度より
地底の森ミュージアム 12月17日(火)~ 1月22日(水)
(仙台市富沢遺跡保存館)
仙台文学館 12 月 25 日(水)~ 2月11日(火・祝)
仙台市戦災復興記念館 1 月 4 日(土)~ 2月 9日(日)
仙台市縄文の森広場 1 月 5 日(日)~ 1月22日(水)
仙台市歴史民俗資料館 1 月 5 日(日)~ 2月 2 日(日)
〈各館展示の様子〉
瑞鳳殿 史跡陸奥国分寺・尼寺跡ガイダンス施設
地底の森ミュージアム 仙台文学館
仙台市戦災復興記念館 仙台市縄文の森広場 仙台市歴史民俗資料館
この門松の作成にあたり,藁打ちや「ケンダイ」と呼ばれるしめ縄飾りの作成などは,泉区根白石の旧家の方の協力を得て,歴ネット参加館の学芸員などが集まって作成し,すべて手作業で設置しております。
今年度は市政だよりや新聞などでも取り上げられ,それをご覧になった市民のみなさまが各館に足を運んでいただき大変好評でした。
また,市民団体の方からも作成・展示をしたいと協力依頼があり,しめ縄づくりや設置の様子を見学いただき,市内4カ所に展示されました。この伝統的な門松も市民の皆様の関心の広がりを感じることができ,担当としても大変うれしく思っております。
歴ネットでは,これからも「仙台の伝統門松を復元」として展示を行っていく予定です。次年度の年末年始もぜひ歴ネット館を巡ってご覧いただきたいと思います。ありがとうございました。
(仙台市博物館・歴ネット事務局 担当)