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2019/02/21
東北大学史料館はじめましてレポート
新しくSMMAに参加したミュージアムをご紹介する「はじめましてレポート」。今回は、東北大学史料館の情報をお届けします!
東北大学史料館は、1963年に発足した「東北大学記念資料室」を前身として、2000年12月に発足した日本初の大学アーカイブズです。東北大学創立以来の歴史公文書や、東北大学の教職員・学生に関する資料を収集 ・保存し、公開するとともに、これらを活用した教育・研究活動を行っています。
まずは、アクセスをご紹介します! 東北大学片平キャンパス内にある東北大学史料館。市営地下鉄東西線「青葉通一番町駅」、南北線「五橋駅」から歩いて10分程度で着くので地下鉄での来館も便利ですが、最寄りは「東北大学正門前」バス停です。
▲「東北大学正門前」バス停から、南東に向かってまっすぐ歩くと、数分で東北大学の正門が見えてきます。大学の敷地内は広くて似たような建物がたくさんあるので、初めて訪れる方は分かりづらいかもしれませんが、正門の近くに案内板があるのでご安心下さい。
▲案内板通りに、正門からまっすぐ歩くと、すぐに右手に史料館が見えてきます。
▲史料館の建物は、1926年に東北帝国大学附属図書館の閲覧室として建てられたロマネスク様式の建物で、1973年に図書館が移転したのち、1986年に当時の雰囲気を残すように改修され、前身の「東北大学記念資料室」、そして現在の「東北大学史料館」と長きに渡って親しまれてきました。銅板葺のベルのような形をした塔屋が特徴で、1階と2階で窓の形が異なるなど、随所に工夫が凝らされた史料館の建物は、2017年に登録有形文化財に登録されています。
▲史料館のキャラクター「ふみくん」も史料館の建物をモチーフにしています。東北大学の歴史に詳しくて、古い物を大切にするふみくん。2017年に開催された東北大学主催の片平まつりで誕生したばかりで、今後の活躍に乞うご期待です!
▲史料館の中に入ると、1階に閲覧室、2階に展示室があります。閲覧室には、東北大学の歴史公文書や関係者の個人資料、他大学の歴史に関する参考文献が約1万冊収蔵されており、申請すれば一般の方でも閲覧することができます。
▲2階の展示室に向かう途中で、旧制二高の蛮カラな学生になれる顔出しパネルを発見しました! 興味を惹かれつつ階段を上ると、着いた先は暖かみのある木製の床と、真っ白で高い天井が印象的な展示室です。中央に展示された強豪・東北大学ボート部が使用していた木製のボートが目を引きます。
▲展示場には、東北帝国大学附属図書館の閲覧室として使用されていた当時の写真が飾られています。写真と展示室を見比べると、天井や壁の造形などいたる所で当時の雰囲気を感じることができます。
▲展示の内容は、大きく「歴史のなかの東北大学」、「魯迅記念展示室 魯迅と東北大学」、そして「企画展示室」の3つに分かれています。
▲「歴史のなかの東北大学」では、東北大学の誕生、戦中・戦後の東北大学、高度経済成長下の東北大学など、時代ごとの大学や学生の様子を、公文書や資料を通して紹介しています。
▲こちらの「女性の東北帝大受験に関する文部省から大学への照会」は、数名の女性が東北帝国大学に出願していると知った文部省の責任者が、東北帝国大学の総長に真意を問いただすために送った文書で、日本で初めて女性を受け入れた東北大学ならではの公文書です。このような歴史的に重要な公文書と並んで、東北帝国大学理科大学で行われた最初の講義の受講ノートなど、身近な資料も多数展示されており、様々な視点から当時の学生たちの姿をうかがい知ることができます。
▲東北大学歴代の総長に関する資料も多数展示しており、「鉄の神様」と呼ばれた物理学者・本多光太郎の研究ノートなどを見ることが出来ます。名教授たちの式辞や講演の一部を聞くことができる「名教授たちの声を聞いてみよう」というニッチなコーナーもおすすめです!
▲他にもアインシュタインが講演旅行で東北帝国大学に訪れた際に記したサインや、御真影と呼ばれる天皇の肖像などを大切に保管するための耐火金庫など、幅広い分野の資料がたくさん展示されており、訪れる人がそれぞれの楽しみを見つけられること間違いなしです!
▲展示場入り口のチラシ置き場には、2017年の片平まつりで実施した「東北大学歴史博士 試験問題」があります。展示を見ながらクイズに答えて、見事満点をとると、ふみくんのイラストが入った東北大学歴史博士の合格証がもらえます! ユーモア溢れる3択問題で、どなたでも楽しみながら問題を解くことができます。歴史博士を目指して、ぜひ挑戦してみて下さい!
▲次に「魯迅記念展示室 魯迅と東北大学」の展示をご紹介します。中国近代を代表する文豪・思想家である魯迅(周樹人)は、1904年に仙台初の外国人留学生として東北大学医学部の前身である「仙台医学専門学校」に入学しました。ここでは、留学生・魯迅の足跡を、東北大学が収集・保存した資料を通じて紹介しています。
▲魯迅(周樹人)の入学願書など留学生の受け入れに関する資料や、成績表、出席簿など魯迅の学生生活を垣間見ることができる資料が展示されています。当初は、医学の道を志していた魯迅。敬愛する藤野厳九郎先生から骨学、血管学、神経学を学びましたが、成績表を見てみると藤野先生の評価はなかなか辛口のようです。
▲こちらは藤野先生が留学生の魯迅を気遣って添削し続けた魯迅の講義ノートです。講義で抜けてしまった箇所だけでなく文法の誤りまで丁寧に添削されたノートに心を打たれた魯迅は、藤野先生を恩師と仰ぎ、1926年に留学時代のエピソードを綴った短編小説「藤野先生」を発表しました。
〜魯迅の階段教室(旧仙台医学専門学校六号教室)〜
▲片平キャンパスの中には、魯迅が藤野先生に学んだ「魯迅の階段教室」も残されています。学術目的に限り、事前にお申し込みいただければ見学することができますので、史料館へお越しの際は、ぜひこちらにも足を伸ばしてみて下さい。(※見学申込みはこちらをご覧下さい。)
▲最後に企画展示室をご紹介します。こちらでは、東北大学に関するテーマの企画展を定期的に開催しており、史料館の新資料を紹介する速報展や、ひなまつりの時期に開催する東北帝国大学の大学病院看護師寮(星寮)で飾られていたおひなさまの展示が恒例となっています。この日は、東北大学埋蔵文化調査室の発掘成果を紹介する「東北大学キャンパスにおける遠古の文化 青葉山遺跡群と芦ノ口遺跡」展が開催されていました。
東北大学創立以来の歴史から、最新の調査成果まで学ぶことができる東北大学史料館。収集・保存されてきた多種多様な資料は、東北大学に縁のある方はもちろん、縁の無い方も同様に楽しませてくれます。歴史ある片平キャンパスの散策もかねて、ぜひ史料館を訪れてみて下さい。
▲東北大学の生協では、「歴史のなかの東北大学」と「魯迅記念展示室 魯迅と東北大学」の展示内容をまとめたガイドブックを販売しています。手に取りやすいサイズのなので、ぜひこちらを手に史料館をご見学下さい!
【東北大学史料館】
■開館日:月曜日〜金曜日(※祝日、夏期休業日、年末年始除く)
■開館時間:10:00-17:00(※12:00-13:00は閲覧室休み。※最終入館は16:30まで)
■入館料:無料
■住所:仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学片平キャンパス内
■TEL:022-217-5040
■FAX:022-217-4998
■アクセス:
徒歩/JR仙台駅西口より徒歩25分
地下鉄/東西線「青葉通一番町駅」、南北線「五橋駅」より徒歩約10分
バス/仙台駅西口バスプール11番のりば 緑ヶ丘・八木山南・八木山動物公園行き「東北大正門前」下車
↓↓↓その他、東北大学史料館のレポートはこちら↓↓↓
*SMMA見験楽学ツアー⑧「片平まつりジョイント企画 片平キャンパス歴史散歩」レポート
*SMMA見験楽学ツアー⑬「片平キャンパス歴史散歩」レポート
(事務局・帖地)