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動物公園は博物館!?

このサイトをご覧になった方で、仙台市八木山動物公園がSMMAに参加しているのを驚かれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。八木山動物公園は「博物館相当施設」なのです。

八木山動物公園は1965年10月15日に開園して、翌年5月には文部省(現文部科学省)から「博物館相当施設」として指定されました。ご存知のように、博物館に関する法令として博物館法があります。法律上の博物館が、都道府県教育委員会の管轄であるのに対して、八木山動物公園は管轄が教育委員会でないことから、「博物館相当施設」となっているのです。

 「博物館相当施設」である動物公園の一面をご紹介しましょう。博物館で展示される資料は、大きく人文学系の物と自然科学系の物に分類できます。動物公園の資料は、自然科学系の物が中心で、動物が主な物です。博物館では資料を一点、二点と数えます。そこで、動物公園でも年報の飼育動物一覧表などは、全て「点」となっています。例えば、2008年度末現在の八木山動物公園の飼育動物数は、哺乳類42種173点、鳥類63種270点、爬虫類34種99点という具合です。

しかし、一般的な動物の数え方としては、「点」ではなく、「匹」や「頭」を使います。小さい頃に、猫は一匹、牛は一頭と教えられました。人間が両腕で抱きかかえられれば、「匹」、抱きかかえられなければ、「頭」が一般的です。因みに動物公園では、「頭」で数えることが多いです。これは、欧米人が馬などを「HEAD」(頭)で数える習慣が明治時代になって紹介され、和訳の「頭」が使われようになったからだそうです。実際動物を海外の動物園に輸出する際に、経済産業省に申請する英文書類の中には、例えば「二頭」輸出ならば、記載は「2HEADS」と記入しなければならないものが今でもあります。折角なので、「匹」の由来についても少し。もともと、馬を数える時に「匹」を使ったと言われています。馬の尻が左右二つに分かれていることから、一対の尻を持つ動物ということで、一匹と数えたと言われています。

動物公園に来られた際に、この動物は、「匹」それとも、「頭」、どちらで数えるのか考えながらご覧になるのも一興ではないでしょうか。但し、くれぐれも動物を抱きかかえないようにお願いします。

仙台市八木山動物公園 学芸員 阿部敏計

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