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2010/01/07
仙台市八木山動物公園は、寒い冬でも見所いっぱい!
みなさん、仙台市八木山動物公園は冬季閉園していると思っていませんか?動物公園は、寒い冬でも開園しています。今回は、見所いっぱいの冬の動物公園を紹介しましょう。
大好評で、リピーター続出の「ウサギ、アフリカゾウ(メス:愛称メアリー)とニホンザルへのエサやり体験」は、冬でも、悪天候と特別イベントの時を除いて、毎日実施しています。
アフリカ園のアフリカゾウ舎内で行われる「飼育員によるアフリカゾウのトレーニング」は必見です。午後2時頃に、外から室内に入れたゾウに対して、飼育員がゾウの健康管理とゾウとのコミュニケーションをはかるために行っているトレーニングを行う様子を、室内観覧通路からガラス越しにご覧いただけます。飼育員の号令に従って、大きなゾウが体を右に左に横に倒したり、足を右、左と順番に上げたり、鼻を上げたりします。このトレーニングの中で、冬場だけご覧いただけるのが、横になったゾウの耳に、獣医さんが保湿クリームを塗る様子です。我々が乾燥した手に塗るものと全く同じものを、寒風にさらされて乾燥し冷たくなった大きな耳に、たっぷりとそして優しく塗ってあげる様子は興味深いものがあります。
同じくアフリカ園のサイ・カバ室内展示場の「温泉に入るカバ」も必見です。午後2時頃に、飼育員がカバを寒い外の運動場から室内に入れると、カバは冬場だけ温水により約20℃に保たれたプールに入って気持ちよさそうにしています。その様子は、室内観覧通路から間近でご覧いただけます。外気温が冷たいので、プールから温泉のような湯気が上がり、カバが温泉に入っているように見えるので、「温泉に入るカバ」として有名です。
猛獣舎の「ホッキョクグマ」は、生息地が寒い北極圏やツンドラ地方なので、冬が大好きです。雪が運動場に積もったら、そこに背中をこすったり、滑って遊んだりと大はしゃぎです。
サル山隣の「レッサーパンダ」も冬が大好きです。雪の中を元気に走り回っています。生息地が中国の涼しい高山地方で、活発に動き回る繁殖時期も1月頃なのです。逆に、暑い夏が苦手なので、その時期のために寝部屋には冷房のためのクーラーを設置しています。冬場は、ほとんどの動物舎で暖房をフル回転しているのですが、ホッキョクグマ舎とレッサーパンダ舎は暖房の必要がありません。
「サル山のニホンザル」も顔とお尻を真っ赤にさせて動き回っています。繁殖期が秋から冬なので、力の強いオスは目当てのメスを必死に探し回っていますし、それが原因でオス同士の喧嘩になることもしばしばです。イベント情報にもありますが、1月17日と24日に開催されます「ニホンザルと焼き芋」は必見です。サル山で焚き火をして焼き芋を作ってサルに与えます。サルが焚き火と焼き芋にどんな反応を示すのか楽しみです。ご覧になっている方にも焼き芋のサービスがあるかも。
爬虫類館前の「ガン生態園」にいるシジュウカラガンとマガンや、正門付近の「水禽(すいきん)池」にいるハクチョウなどは、冬に日本で越冬する渡り鳥なので、鳴きながら盛んにエサをついばんでいます。
園内を歩いて疲れましたら、熱帯の「は虫類館」へどうぞ。一日中22~23℃に設定されているので、冷えた体を温めるのに最適です。
仙台市八木山動物公園 学芸員 阿部敏計