SMMA SENDAI MIYAGI MUSEUM ALLIANCE 仙台・宮城ミュージアムアライアンス

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SMMA15周年を振り返って①

SMMAは2009年の結成以来、今年度で15周年を迎えました。

2024年12月20日〜23日に開催したミュージアムユニバースでは、SMMAに参加している各館の取り組みやイチオシを紹介する展示ブースのほか、

SMMAのこれからを紹介するコーナーとして「SMMA15周年記念ブース」を設置しました。

このコーナーではSMMAの沿革や、取り組みの写真、映像、発行誌などを展示しました。

来場者からは「(以前には)こんなツアーをしていたんだ!」「いろんな種類の冊子があるんですね!」などといった声を聞くことができました。

現在の担当者としても、15年という歴史の深さを改めて思い知らされました。

今回は、その歴史を振り返りつつ、SMMAのこれからを考える記事にしたいと思います。

いきなりですが、SMMA Sendai Miyagi Museum Allianceという名前はすんなり決まったわけではなく、たくさんのアイデアの中から名付けられました。ミュージアム施設の連携組織は当時としては画期的なことで、タイトルの他にもさまざまなプロジェクトが検討されました。(2009年6月30日に行われた会議の様子から)


続いて、これはどこかわかりますか?

実はこれが記念すべきSMMAの第一回目のイベント「アフリカゾウを見験楽学」(2009年10月12日)です。

仙台市八木山動物公園と仙台市科学館のクロストークとして、動物園のゾウ園舎の中で開催されたものです。

参加者には実際に園舎の中へ入ってもらいました。

間近でみると迫力が違いますね!

そういえば、この時のイベント出演者で八木山動物公園の飼育員阿部さんに動物の呼び方について面白いコラムを書いていただいておりました。

2010年3月2日付SMMAウェブサイトより「八木山動物公園の動物の愛称と由来を紹介」


こちらは地底の森ミュージアムで開催された八木山動物公園とのクロストーク(2011年夏)の様子です。

縄文時代や弥生時代には多くの動物の形をした土製品が出土しています。考古学ではそれらの土製品がなぜ作られたか、どのようにして利用されたか、その動物は当時の人々にとってどんな意味があったかなど探っていくことが多い学問です。一方、動物園の視点では現在の動物との骨格の違いや生態の違いなど、飼育している目線から動物の魅力を伝えてくれます。2万年前の時代を扱う博物館と、動物園は、それぞれ別な領域のように思われますが、一緒に考えることによって来館者はもちろんのこと、私たち学芸員にも新たな「繋がり」を感じさせてくれます。さまざまな視点から可能性を考えるのがSMMAの醍醐味です。

SMMAでは過去にそれぞれのミュージアムスタッフがホストを務めるバスツアーも企画していました。

SMMA見験楽学ツアー11 「鉱山の町・細倉の記憶をたどる −寺崎英子が残した写真から−」より

SMMA見験楽学ツアー7「鉄道の裏がわ探検ツアー」より

今からでも行きたくなる(参加したくなる)ような内容がたくさん!

私もいつか富沢車庫に入ってみたいなぁ…。

クロストーク、ツアー、さらにミュージアムユニバースの開催と内容盛りだくさんで、この15年を駆け抜けてきました。ご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、何度か冊子も制作しています。好評につき残部が少なくなりましたが、SMMAウェブサイト内でpdfにて閲覧できますので、ぜひこちらをご利用ください!


さて、ここからは直近のお話です。

2024年12月に開催したミュージアムユニバース「SMMA15周年記念ブース」ではふせんでSMMAにやってほしいこと、やってみたいことを自由に書いてもらうコーナーを設置しました。本当にたくさんの声をいただき、ありがたい限りです!その一例をご紹介しますね。

 

【ふせん】縄文の森広場の竪穴式住居で一晩泊まりたいです!よろしくお願いします!

私は以前縄文の森広場で勤務していたのでわかるのですが、夕方〜日が暮れてからの情景がうっそうとした雰囲気も相まって素敵なんですよね(特に緑生い茂る季節)。16:45閉館なのでお客さんはなかなか見られない光景なのですが。一晩、それも泊まる・・・となると実現のハードルはとても高いかもしれませんが、想像するとわくわくしますね!

2018年8月、縄文の森広場2Fラウンジから撮影

 

【ふせん】仙台藩時代の家臣の屋敷跡など、地名に残る痕跡の展覧会が見たいです!

確かに、仙台市内には地名に残る痕跡がたくさんあります。地名に限らず街中のふとした場所にある標柱は現住所とも違っていたりして、その時代ではどんな役割を持っていた街なんだろうと想像するとワクワクします。実は仙台市ではこんな取り組みがあったりします。

 

【ふせん】地元にうもれているささやかな文化や美術に目を向けた展示が見てみたい。

     ※ただし結構高価な感じ、ムズカシイ感じになりがちなので、小学生でもたのしめるようなレベルが◎

同僚との会話の中で知ったのですが「戦災樹木」というものがあるそうです。主には太平洋戦争中に空襲を受け、被災しながらも、枯れずにその「痕跡」を伝える木々を指す言葉だそうです。今まで知らなかったのですが、せんだいメディアテークのすぐ近くにもその痕跡を残す木が現存することがわかりました。パッと見ただけでは流してしまいがちなことでも、その歴史を紐解くと深さを感じられるものってたくさんありますね。

 

【ふせん】もう13回にもなるんですね。加盟施設もふえて、ますますパワーUP!子どもたちや地域の元気づくりに貢献お願いします。

大変心強いメッセージをありがとうございます。SMMA運営側としても、皆さんの声、そしてSMMA各参加館の声を大切にして、事業に取り組んでいく所存です。

 

たくさんのメッセージ、本当にありがとうございます。

この続きは次回以降の記事にて、またご紹介できればと思います。

文:SMMA事務局 (こやま)

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