SMMA SENDAI MIYAGI MUSEUM ALLIANCE 仙台・宮城ミュージアムアライアンス

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SMMAクロスイベントレポート「みんなでどろんこ!生きもの観察in地底の森3」

地底の森ミュージアムの野外展示「氷河期の森」にある池で、
生きもの観察会を行いました。
これは地底の森ミュージアム、東北大学総合学術博物館、
そしてみちのく博物楽団が行うクロスイベントで、
今年もたくさんの参加者でにぎわいました。

 

写真1:今年は天候に恵まれ、大勢の参加者でにぎわいました

写真1:今年は天候に恵まれ、大勢の参加者でにぎわいました

 

このイベントの目的は、普段は見ることができない、
ちいさな生きものたちの多様な世界が、
自分たちの生活のすぐそばに存在しているのだと知ってもらうことです。
子どもたちが実際に生きものに触れ、その感動から学ぶ機会を大事にできるよう、
直感的に理解できる資料や安全な観察道具、押し付けるのではなく
参加者に一緒に考えてもらえるようなサポートなどの工夫をしています。

写真2:常設展示を見学

写真2:常設展示を見学

写真3:うまく泥を採れるかな?

写真3:うまく泥を採れるかな?

 

参加者は9月25日(日)に11家族36名、10月2日(日)に8家族19名で、
今年は両日とも素晴らしい観察会日和でした。
参加者には、まずは2万年前の富沢の姿を知ってもらうために、
地底の森ミュージアムの常設展示を見学してもらいました。
その後、2万年前の富沢を復元した「氷河期の森」に場所を移し、
池にいる生きものを採集しました。
室内に戻ると、観察の始まりです。
資料と観察道具を使い、見つけた生きものをじっくり観察してもらい、
その名前を子どもたちに調べてもらいました。

写真4:芝生広場で泥洗い

写真4:芝生広場で泥洗い

写真5:資料を使って分類中

写真5:資料を使って分類中

 

参加者の反応はとにかく「楽しかった」という声がほとんどでした。
「普段は入れない池に入れた」こと、
「お母さんの許しを得て堂々とどろんこになれた」こと、
「ルーペやスポイトなど使ったことのない道具を扱った」こと、
「見たこともない生きものと対面した」こと、などなど。
たくさんのドキドキワクワクがあり、好奇心を刺激する
豊かな時間となったようです。
保護者の方からは子どもへの丁寧な対応に安心できたこと、
親も一緒に楽しめたことを特に喜んでいただけました。

 

一方で、「資料にもっと読みがなを振ってもらえると助かります」
という意見もありました。
実際に参加者の年齢は下がる傾向にあるので、しっかりと準備に時間をかけつつ、
さらに親御さんにもお子さんの興味と発見をサポートしていただくことで、
より高い目標に手が届くようになると思います。
生きものと触れ合って終わりではなく、
「観察と分類の楽しさを味わい、身の回りの目に見える自然と繋がっている
ミクロの世界をのぞいてもらう」という目的の達成に近づけるよう、
これからも工夫を重ねていきたいと思います。

写真6:泥の中から生きものを探し中

写真6:泥の中から生きものを探し中

写真7:「このこはだーれ?」

写真7:「このこはだーれ?」

 

今回のイベントで私たちみちのく博物楽団は、
採集や観察など参加者のお手伝いをさせていただきました。
子どもたちのキラキラとした好奇心と触れ合うことができ、
とても楽しい時間でした。
そのなかでも特に印象に残っているのが、
子どもたちが成長する瞬間に立ち会えたことです。
私が担当した家族の男の子は、スポイトを使うのは初めてだったそうです。
始めのうちは水中で空気を抜いてしまい生きものを逃し続けていたのですが、
気が付くとちょっとだけ吸ってちょっとだけ外に出すという技術を身に付けており、
お母さんも驚いていました。
できないことをスタッフが代わりにやってしまえば簡単ですが、
時間がかかってもやり方を教えるという姿勢をこれからも大事にしたい、
と改めて思えた体験でした。

この生きもの観察会も今年で3年目を迎えました。
子どもたちが知らない世界と触れ合うお手伝いを、どんな形であれ、
これからも継続していきたいと思います。

 

みちのく博物楽団 半谷明寛(東北大学農学部 生物生産科学科)

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