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2025/04/18
SMMA15周年を振り返って②
SMMAは2009年の結成以来、今年度で15周年を迎えました。
2024年12月20日〜23日に開催したミュージアムユニバースでは、SMMA参加館の取り組みやイチオシを紹介する展示ブースのほか、「SMMA15周年記念ブース」では、結成時のエピソード紹介やふせんでSMMAにやってほしいこと、やってみたいことを自由に書いてもらうコーナーを設置しました。
本当にたくさんの声をいただき、ありがたい限りです!今回も寄せられたふせんをご紹介します。
【ふせん】昔の食べ物を食べてみたい!!昔の人たちが作ってた料理の再現をしてみたい
同じ書き手ではないようですが、ふせんが繋がって貼られていたので一緒に紹介します。食べ物系!楽しいです。
昔の食べ物の再現、実はSMMA参加館の中でも再現をするプログラムが多数行われてきました。
日常的に昔の食べ物を提供できるミュージアムは限定的になってしまいますが、イベント時にお振舞いとして提供することもあります。
せんだい3.11メモリアル交流館のイベント「まめげっつぁん」 では郷土食おくずかけが提供されました(2024年9月に開催)。
考古学のミュージアムを見てみると、ここ数年でお菓子ブームがきていました。
SMMA参加館ではありませんが、古墳の形をしたケーキなるものも登場して話題となったことがありました。
実際に昔の人たちが食べていたものとは少しズレてしまいますが、縄文の森広場に勤務していたとき、本物の土器を3D計測し、4分の1サイズに縮小したシリコン型にチョコを流し込んで、土器チョコレートなるものを作ったことがありました。
土器の形や文様を見るとき、もちろんホンモノも大切ですが、お菓子という身近な食べ物や素材から観察していくことも楽しいです。
【ふせん】東北六県 <消えたデパート>展 byタダ飯(ハン)
東北に限らず、全国には本当にさまざまなデパート(百貨店)がありました。もちろん数多く現代に続くものもありますが、残念ながら時代の変化とともに消えてしまったデパートも少なくありません。
せんだいメディアテークでもかつて仙台駅前に存在した旧丸光デパートのパネル展示を行ったことがありました。
また、過去のミュージアムユニバースでは丸光デパート屋上に設置されていたミュージックサイレンの主電動部(モーター、大きなオルゴールのような形状)を展示したこともありました。
(2023年12月のミュージアムユニバース会場より)
私はリアルタイムで聴いたことがありませんが、仙台市内の広い範囲までその音色は届いたそうで、思い出のある方も多いのではないでしょうか。
郊外型のスーパーやショッピングモールなど、市街地中心部に人々が集まらなくても成り立つようなお買い物スタイルが地方都市を中心に展開して久しい現代ではあります。
「消えたデパート」という一見すると寂しげなワードではありますが、その中から当時の人々のライフスタイルを紐解いたり、さまざまな可能性がある予感がします。
話は横道に逸れますが、SMMA参加館である東北大学史料館の加藤諭先生は『戦前期日本における百貨店』の著者ですが、SMMAのラジオ番組でも百貨店のお話をされていますのでご紹介します。
ミュージアムトークテラス・ラジオ
シーズン2 第3回「買い物だけじゃない百貨店の秘密」
【ふせん】<仙台市電廃止から50年>展 (2026年に、準備は今の内から) byタダ飯(ハン)
仙台市電は1976年3月に廃止されてしまいましたが、来春にそれから50年を迎えるんですね。
メディアテークでも地域文化の資料として仙台市電の写真資料が多数アーカイブしてあります。
上記アドレスの検索ワードに「仙台市電」と入れると関連したアーカイブ資料を多数ご覧いただけます。
タダ飯(ハン)さんのコメントではありませんが、近いところにこんなふせんも貼ってありました。
【ふせん】地下鉄の通り道を歩いてみたい。(ミュージアムではありませんが)
地下鉄の営業線路を歩くことはなかなか難しいとは思いますが、地下つながりで・・・
埼玉県に「首都圏外郭放水路」というものがあります。首都圏エリアの水害を防ぐ目的で作られた施設で、別名「地下神殿」と呼ばれているそうです。
個人でも申し込めば地下神殿を見学できるようで、個人的には大変興味があります。※事前予約制とのこと
仙台市内にも西公園の地下に「杜の都れんが下水洞窟」が整備されています。※事前予約制とのこと
こちらも機会があれば、いつか行きたいです!
【ふせん】歴史とイマ 私とのつながりを考えるワークショップ
最後にご紹介するのはこちら。
大変深いテーマです。
ミュージアムにとって展示とは過去を示すことが多く、私たち学芸員は展示を見ている「イマ」との繋がりを来館者の皆さんにどれだけ伝えられるかを意識して展示やワークショップの企画することが多いです。
これは私個人の考え方でもありますが「史実との対話」がミュージアムの魅力をグッと引き上げるように思います。
来館されたみなさんの興味関心を枝葉のようにさまざまなミュージアムや分野と繋げるのも私たちの仕事。
責任感!というと仰々しいですが、楽しめるコンテンツ作りを目指してがんばります!
たくさんのメッセージ、本当にありがとうございます。
SMMA運営側としても、皆さんの声を大切にして、これからの事業に取り組んでいく所存です!
文:SMMA事務局 (こやま)