ARTICLE
2021/03/02
SMMAクロスイベント 歴ネット「仙台の伝統的な門松復元」実施報告(レポート)
仙台歴史ミュージアムネットワーク(歴ネット)では今年度も「仙台の伝統的な門松」を復元し歴ネット8館で展示しておりました。今回は実施報告をいたします。
■仙台の伝統的な門松とは?
かつて、仙台やその周辺で飾られていた門松は、現在一般的に見られるものとは違い、松や竹などを門のように組み上げた形をしていました。しかし、仙台の中心部では明治40年ころには、ほとんど姿を消し、郊外でも昭和40年代には飾る家も少なくなり、今ではほとんど見ることができなくなっています。
仙台市博物館では、数年前から仙台の門松に関する調査を継続して行い、いくつかの関連の古文書や絵画資料などを見つけることができました。その結果、江戸時代に仙台城に飾られていた門松の大きさや数、また、材料が根白石村(現・泉区根白石)から献上されていたことなどがわかってきました。
ちなみに仙台城内に飾られた門松は、直径15cm、長さ3m以上の栗の木の柱に竹や松を添え、根元を楢(なら)の割り木で囲むというもので、その高さは3mから4mに及んだと推定されます。
■展示期間
瑞鳳殿 12月15日(火)~ 1月 14日(木)
史跡陸奥国分寺・尼寺跡ガイダンス施設 12月15日(火)~ 1月 18日(月)
仙台市博物館 12月15日(火)~ 2月 13日(土)
地底の森ミュージアム 12月22日(火)~ 1月 27日(水)
(仙台市富沢遺跡保存館)
仙台文学館 12月25日(金)~ 2月15日(月)
仙台市戦災復興記念館 1月 4 日(月)~ 2月 7日(日)
仙台市縄文の森広場 1月 5日(火)~ 1月27日(水)
仙台市歴史民俗資料館 1 月 5日(火)~ 1月31日(日)
〈各館展示の様子〉
【瑞鳳殿】 【史跡陸奥国分寺・尼寺跡ガイダンス施設】
【仙台市博物館】 【仙台市富沢遺跡保存館】
【仙台文学館】 【仙台市戦災復興記念館】
【仙台市縄文の森広場】 【仙台市歴史民俗資料館】
門松の設置に先立ち,例年,泉区根白石の旧家の方を講師としてお招きして藁打ちや「ケンダイ」と呼ばれるしめ縄飾りを作成する研修会を実施しています。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり,歴ネット参加館の学芸員のみで,規模を縮小して実施しました。
仙台の伝統や歴史に触れてもらう毎年恒例のイベントとして,広く市民の皆様に認知されつつある「仙台の伝統的な門松」の復元展示ですが,今年度も市政だよりや新聞等に取り上げられ,多くの市民の皆様に足を運んでいただきました。年々市民の皆様の関心の広がりを感じることができ,担当としても大変うれしく思っております。
今年度も多くの皆様にご覧いただき,ありがとうございました。
(仙台市博物館・歴ネット事務局)
★お問い合わせ先
歴ネット事務局 仙台市博物館
〒980-0862 仙台市青葉区川内26〈仙台城三の丸跡〉
電話:022-225-3074