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企画展「自由研究ミュージアムin東北大学」レポート

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クジラの化石も雄大な今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。SMMA事務局吉田です。
今回は東北大学総合学術博物館(東北大学理学部自然史標本館)で開催中の企画展「自由研究ミュージアムin東北大学」(2016年7月23日(土)〜8月27日(土))の様子をレポートします。

 

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企画展「自由研究ミュージアムin東北大学」は、夏休みの自由研究に悩む子どもたちが楽しく研究に取り組めるように企画されました。企画したのは東北大学理学部自然史標本館を拠点に活動している学生団体「みちのく博物楽団」のみなさん。ミュージアムの面白さを多くの人々、とりわけ子どもたちに伝えるべく、遊びのなかから学びを得られる様々な体験プログラムを企画・実施してきました。標本館内に留まらず、学外でのイベントや仙台市内外でのワークショップなどにも積極的に取り組んでいます。ラジオや新聞で彼らの活動を耳にした方もいるのではないでしょうか。
今回の企画展も、せっかくの自由研究を面倒くさいと思ってしまうのはもったいない! 子どもたちが楽しく取り組めるようにお手伝いしたい! という気持ちで制作されたそうです。

 

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さて企画展は自由研究を楽しむヒントがちりばめられた特別展示と、楽団の団員による展示解説、自由研究のステップを楽しく体験できるワークショップの3つから構成されていますが、本レポートでは特別展示「自由研究の進め方を知ろう!」をご紹介します。
「自由研究の進め方を知ろう!」は自由研究に役立つ研究方法を楽団員が実践し、その過程や研究のヒントを紹介する展示です。そもそも自由研究は何を調べるのか、どうやって調べるのかを考えるところでつまずきがちではないでしょうか。かく言う私も小学校の自由研究で「これが知りたいけど、どんな方法で調べればいいのかなあ」と悩んだ記憶があります。
特別展示では自由研究のおおまかなステップを、
「?(ふしぎ)」を見つける→こたえを考える→こたえあわせ→「わかった!」
の4つとしていますが、特に大切なのは「わかった!」のその先。採集や実験の結果が「わかった!」だけで自由研究は終わりません。なぜそうなったのか、自分の考えていた「こたえ」とどうして違う結果が出たのか。「わかった!」ことの考察によってさらに先の答えや疑問を探していけば、自由研究はもっと深く面白くなるのだといいます。

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楽団員のみなさんが日々の生活のなかで見つけた「?」を解き明かす方法としてそれぞれ選んだのは、「採集」「分類」「実験」「工作」の4つ。館内の4ヶ所に、それぞれの方法を使った自由研究の展示が行われています。
展示のみどころは、子どもたちがつまずきそうな点にスポットを当てているところ。たとえばミョウバンのきれいな結晶はどうしたら作れるかを調べる「実験」では、 “ミョウバンの量”と“温度”を同時に変えるだけでは知りたい答えは得られない、とアドバイスしています。

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▲「温度がひくいときれいな結晶になる?」「ちょっとまって!本当にその結論で正しいの?」

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また各展示ブースには研究の成果を楽しく表現するためのアイディアも満載。「採集」した化石に添えるラベルや植物の「分類」を表すマップなど、調べたことを分かりやすくまとめる工夫が光ります。それぞれの研究に必要な道具や具体的な手順をまとめたフリーペーパーには、「わかった!」の先に進むための問いかけも記されているので、展示を参考にしながら自分らしい自由研究ができそうです。

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さらに展示の設置場所にも工夫が。それぞれの展示は自由研究のテーマに関連する常設展示に隣接しています。自由研究の取り組み方を学んだら、館内の展示資料から「?」のヒントを探せるようになっているのです。
最初から常設展示をふまえて研究テーマを選んだわけではなく、出来上がった自由研究を持ち寄ってみたら常設展示内に設置場所が見つかった! という経緯だったとか。数多の研究者によって膨大な資料が収集されてきた大学博物館ならではのお話ですが、楽団員の半谷さん曰く「ここに展示している資料や研究成果は、大人が本気になって取り組んだ自由研究みたいなものです。子どもたちにとって、それが自分の自由研究を始めるきっかけになれば嬉しいです」とのことでした。

 

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さて企画展は夏休み限定の開催ですが、常設展示にもミュージアムを楽しむヒントが多数用意されています。

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たとえば館内で配布している「みどころBOOK」では、膨大な展示資料のなかから楽団員が選んだ16点のおすすめ資料をご紹介。ちょっと見ただけでは分からない展示資料のみどころを詳しく解説しています。展示室で画像のようなプレートを発見したら、足を止めて「みどころBOOK」を開いてみてください。最初にBOOKを読んで展示室を回るルートを考えるのもいいですね。

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サクサク見学したい方には館内スタンプラリーがおすすめ。館内で配布しているポケットサイズの冊子に、展示室内のあちこちに置かれたスタンプを押していくと、カラフルなイラストに彩られた図鑑が完成する仕組みになっています。イラストに添えられた解説は大人も楽しめる充実の内容です。中面の「おたからマップ」も必見ですよ。

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毎週土曜日には、楽団員による展示解説も実施しています。「みどころBOOK」やスタンプラリーを通してもっと知りたいことが見つかった方は、気軽に解説をお願いしてみましょう。団員によって得意分野があるそうなので、団員さんおすすめの資料を解説してもらうのも楽しそうです。
ちなみに学外でのイベント出展等で解説をお休みすることもありますので、来館前に公式ウェブサイトやTwitterをご確認ください。

 

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東北大学理学部自然史標本館へは、東西線・青葉山駅から徒歩3分ほど。知られざる大学ミュージアムの面白さ、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

 

〈みちのく博物楽団〉
ウェブサイト http://hakubutsugakudan.wordpress.com
Twitter @michihakutohoku

 

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